特集:b-flower『純真』レビュー


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純真 について書いてって言われていた時
ちょっと勘弁して欲しいなって
そう思った
正直なところね


あまりにも自分からかけ離れている歌だから
自分に合わないとか
好きじゃないとかでは無く
歌が始まった途端に
恥ずかしくて仕方が無い


真正面に鏡を置かれてるような
映っている自分に向き合う刑でも下されている様な感じ


人ってね
本当の事言われるとカチンてくるものなんだよねーって
周りの人にはチクチク言ってきたくせに


いざそれが自分に向けられるとね
それこそカチンてくる
真実こそ強いものは無く
速攻何処かに隠れてしまいたくなる
そこは、なるべく避けて通りたいところだもの


そんな感じの歌なんだよ
恥ずかしげもなくまっすぐな愛の歌
だから困っちゃうんだよ


職場で延々と小沢健二が流れていた日
上司に背中向けて泣いてた
これはもしかして意地悪されてるのかと思った
そう思う所がそもそも私の性格の悪さ


言葉にするのは苦手でも
ひとたび、文字として起こせば
気持ち悪い程正直というか素直になってしまう


そんな自分がほんとうに気持ち悪くてしょうがない
でもやめられない


気持ち悪い思いをしてまで
何処かで
自分を出さないといけない何かがある訳でも無いのに


だからなんだろうね
正直な部分に触れると弱いんだよね


でもね、此処では喋らなくていいから素直になれるよ
私には到底出来っこない形で寄ってこられると
もう、どうしたらいいのかわからなくなってしまう
底意地悪い性格の私には
あまりにも沁み過ぎて
此処まで培ってきたこの性格を
危うく浄化させられそうになる


いけない、いけない真っ白になってしまう


小沢健二の歌には光が差していた
銀杏ボーイズの峯田は 『光、光』と、それを欲していた


純真にも光を感じる


柔らかい声で歌われても
優しい光のように感じても
ひとすじの光は
何者にも遮ぎれない強い光


こんな風に
優しく包む様に
だけど
真正面から歌われたらね
参ってしまうんだよなぁ


だって、タイトルやばいでしょ
純真って反則だよ


こんなに堂々と潔いタイトルは
若々しい青葉マークが張り付いた男の子か
一巡して辿り着いた大人にしか歌えないからね


サロ

ムクドリの会


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