特集:b-flower『純真』レビュー


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地球の反対側、NZのシュガーフロストから届けられたb-flowerのニューシングル「純真」


アナログプレイヤー持ってないのに勢いで買っちゃったから、

ひたすら溝をジッと眺めて脳内再生の日々。

丁寧に作られた手刷りの版画スリーブだったり、思い入れたっぷりの紹介文も添えられていて、

いやが上にも期待がつのる。

 

結局、半月後くらいに開始された配信でようやく音を聴くことができました。
 


第一印象は、大きな誤解を恐れずに言えば「言葉を感じない」

ストレートでちょっと照れてしまうような素敵な歌詞は、

僕の耳には流麗なストリングスの調べと溶け合ってとして届きました。

 

これはまるで、大好きな洋楽を聴いているような感覚。

英語の歌詞の意味はチンプンカンプンなのに、

なぜだかアーティストが伝えたいことはバッチリ心に響くような。

 

歳月を経て、磨りガラスのようなテイストが加わった八野さんの歌声は、

あまりに美しくアレンジされた弦楽器、ピアノと混じり合い、ひとつの音として胸に響きます。

もし全体の歌詞が英語で歌われていたとしても、

僕はまったく違和感なく同じような気持ちをこの曲に抱くでしょう。

 

 

とてもせつなく、とても儚く、とても美しい恋心
 


「純真な愛」が儚く、永遠ではないことを大人の僕等はよく知っている。

だからこそ、それは歌うに値するものだろうし、

ストリングの響きと溶け合う物憂げな八野さんの歌声に包まれると、

見果てぬ永遠を信じてみたくもなる
 

Gee

石膏屋 48歳


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