Frosty 7

英題 Stay Still、邦題 静かにして何もしない はまさにその名の通りの、これ以上もうどこも削るところがない極めつけのシンプルな曲です。インディーと言えばじゃかじゃかギターをかき鳴らすとか、シューゲイザーだのダンスだのというようなスタイルが通例だった時代に、これ。しかもA面。かなり意表をついてたと思います。

しゅがふろすとではリリースの度にもちろん自分たちでプレスリリースを書き、レコードと一緒に音楽紙やラジオ局に送りまくるプロモをやってました。NME、Melody Maker等に取り上げられることもしばしばありました。でもその中で一番反応がよかったのが、この曲なのです。

サラレコードから出ていたアナザーサニーデイのハーヴィウイリアムス君は今でも、このシングルは数あるインディーレコードの中でも最高の１枚だと公言しています。ことばの分からない人の心も打つってすてきですよね？そこに通じ合う何かがあるっていうことだから...。

そういえばこのジャケ、実は一度失敗しちゃってるんですよね。パソコンが家になかった時代なのです。写真の、懐かしいテトラパックの牛乳を飲んでるのは私の下の弟ゆうきです（写真のへや参照）。それは当時ではなくて家族アルバムの中の１枚で、それをまず写真に撮って、それを自宅でモノクロに現像してから、デザインにスティック糊で貼付けたんですよ。タイトルはワープロで打ち出したものの切り貼り。

それをシェフィールドの印刷屋さんに送って、戻ってきた出来上がりを見て愕然。写真は四角い形のまま浮き出てました。幸いファンジン時代からのお付き合いの印刷屋さんだったので、無料でやり直してくれたのは今でも感謝してます。もったいないから失敗版は裏紙としてずっと使ってましたがもう１枚も残ってないです。まさに消えちゃったエピソードですね。