FROSTY 14

B-FLOWER

'Boat' LP

(未発表)


Story

このb-flowerのしゅがふろ未発表アルバムは恐らく、Boatというタイトルからしてを含む93年のWorld's End Laundryだったと思われるんですよね。

 

思われるってー出すつもりじゃなかったの?って突っ込みたくなると思うんですけど、そうなんです、全く覚えてないんです。

私だけボケたんじゃないことの証明に、b-flower八野さんはこの企画があったことさえ知りませんでした。だから実際の話、日本のレーベル側でどこまでこの企画が通ってたのかっていうと、さあ?と言うしかないんです。

 

私はそれをある日しゅがふろ過去リリースにつけてたフライヤーを読んで、見つけました。

それに書くくらいだから、ネロリーズのアルバムと同時発売とかって考えてたんでしょうね。でも実際に出たのはネロだけで、それは結構すぐに売り切れてしまったのです。b-flowerのアルバムをアナログで残したかったな...。でもまあ、フライヤーに書いてたおかげでそういう企画があったことだけでも記録には残りました。

 

World's End Laundryはイギリスのオックスフォードにあるマナースタジオという、元々はあのヴァージンレコーズのリチャードブランソン氏所有の広大なマナーハウス(大邸宅)の敷地内に作られたスタジオで録音調整されました。レコーディングの次の段階ですよね。(もちろん、しゅがふろ録音だとそういう過程の分離はなくて、全部一日でやっちゃうのですが...。)その時に行かせてもらったので、自分で制作過程をかいま見た唯一のb-flower音源ということになります。

 

スタジオ訪問をした時には、Eva Lunaグレアムも一緒に行きました。bやスタッフのみんなでお庭で野球みたいなことをして遊んだんだけど、あとでもらった記念写真にはフロントマン八野さんの姿がありませんでした。写真を撮ったのが彼だったのかなとずっと思ってたんですが、それから20年後の2015年5月の奈良イベントの時に、実は八野さんはあの時ひとりだけ部屋にこもってまだ作詞を続けてたと初めて聞きました。そうかー知らずに八野作詞の瞬間にもいあわせてたのね、なんてまた感慨にふけってしまいました。

 

スタジオ訪問の際にぜひリバプールに来てくださいとご招待したら八野岡部夫妻が来てくださって、リバプールの案内をしたり、地元サッカーチームの試合を見に行ったり(これがまた恥じ入るほどつまらない試合だったので、八野さんは行ったことさえ覚えてはらへんかったです)自宅でローストディナーをしたりしました。

 

大きなローストチキンをしたというのは、そのあと岡部さんの奥さんが送ってくださった写真にあったから分かったのですが、写真にしろフライヤーにしろやっぱり記録って大切ですよねー。トレイシーソーンの自伝は詳しい日記帳を元に書かれてたし、クリエイションレコーズのドキュメンタリーを見ても恐らく(あんなロックンロールな運営方法であったにもかかわらず)きちんとした記録が残ってたんだろうなと思いますね。しかしながら90年代しゅがふろの活動内容というのは、もはやこういう断片でしか残ってないのです。